電験3種という難関な資格を取った後は、もちろんその資格を生かしたいですよね。
ですが、味方によってはさらに上のランクの資格に挑戦するという選択もいいかと思われます。今回はそのことについて解説していきます。
受験資格について
基本的に、電験やエネルギー管理士といった資格は薬剤師などとは異なり、
だれでも受けることができます。しかし、だからと言って難関な資格であるということは事実です。
なので、一般的に取得していく順番は以下のようになるかと思います。
(電気工事士→)電験3種→エネルギー管理士→電験2種→電験1種
ただし、電気工事士で()を付けたのは、人によるかと思ったからです。
エネルギー管理士(電気分野)とは?
日本というのは、石油、石炭、天然ガスのほとんどを輸入に頼っているので、エネルギー的に乏しい国といえるでしょう。なので、限られた資源を上手に活用するといった技術が、経済的にも環境的にも重要であるということは言うまでもないかと思われます。それでは、エネルギーを多く使用する場所というのはどういった場所でしょうか?
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2013html/2-1-2.html
にもあるように、電気というのはほとんどが物を作る製造業に消費されます。
言い換えれば、主に工場や大きなビルディングのエネルギーさえうまく監視して無駄を抑えることが最も効率的であるといえます。
なので、エネルギーを大量消費する工場といったエネルギーを大量消費する場所には、エネルギーの使用状況を監視、管理する人が必要になってきます。
それが、エネルギー管理士という仕事です。
一般的に、エネルギーというのは、車のエンジンなどといった熱と電気に大まかに分けることができます。
なので、実際にはエネルギー管理士は、電気と熱についてのスペシャリストでなければいけませんが、法律が改訂されたので、電気の試験、熱の試験のどちらかに受かり、その後実務経験を積めば、エネルギー管理士として働くことができます。
注意点として、電気主任技術者というものは、極論試験だけでなることができます。しかし、エネルギー管理士という職業は、試験合格に加えて適切な条件の下で1年間の実務経験をためなければなりません。ですが、試験を受けて合格するだけでも、価値があります。さらに言えば電験3種、エネルギー管理士試験に合格した後で電気主任技術者になりそこで、実際に実務経験を積んで成長するといのが、最も効率が良いのだと思います。
エネルギー管理士の試験対策
ここでは、電気分野について説明します。ぶっちゃけ8割は共通の範囲だといえるでしょう。
なので、ここでは、残り2割をどうやって対策するのかに焦点を当ててみます。違う部分というのは、法律と空調という分野です。空調は、選択問題なので、自分自身は捨てました。しかし、念のため一度参考書で一読しておくといいでしょう。
問題は法律ですが、それもだいたい出るところや、出る計算式は決まっているので、過去問を数年分解いてみるといいでしょう。
それ以外の共通な分野についていえば、
自信がある場合は2,3年分くらい解くのみでいいでしょう。
参考書に限って言えば電験3種の参考書とちょっとした参考書のみで十分だと思います。ちなみに私はTACの参考書を使用しました。
過去問は以下のものを使用しました。
エネルギー管理士の過去問は安くのて分量も豊富なので、問題演習としては十分にあるので、数年分解いた後に苦手なもののみを集中して解くという方法が最も良いでしょう。
電験2種
電験3種の上位互換でより、大きな施設も含めて管理可能になります。詳しくは以下のページを参照してください。
https://www.shiken.or.jp/chief.html
電験2種にはマークシートの1次試験と記述試験の2次試験があります。
1次試験の科目は、理論、電力、機械、法規と3種と同じなのですが、理論と法規がレベルアップするので、最低この2科目については、参考書をそろえておくことをお勧めします。
電力、機械についても、ある程度は電験3種の参考書で合格点レベルはカバーできますが、それ以上を目指すのなら、電験2種1次試験用の参考書を一式そろえておくと良いと思います。以下の参考書のシリーズ(これだけシリーズ)が分かりやすいのでおすすめです。
ですが、あまり、細かいところまでは書かれていないので、過去問をつかって知識を吸収するといったことも忘れないでください。
また、数学力もかなり求められるので、高校レベルの微分積分や三角関数やベクトルと、
大学レベルではありますが、行列計算、微分方程式、フーリエ変換、ラプラス変換などという分野の基礎知識は学ぶべきです。これには、以下の電験2種電気数学をお勧めします。
電気工学を学ぶにおいて必要な数学力とその活かし方をかなり細かく教えてくれます。
ただしこの参考書はモノクロで難しく堅い参考書なので、心配な人は以下の「いちばんよくわかる 電験2種数学入門帖」にすると良いでしょう。
また過去問については、出来るだけ年数が多いものが良いと思うので、1次試験は以下の
15年シリーズを4冊そろえて勉強するというのが最も有効だといえるでしょう。
2次試験は、電力管理科目と機械制御科目があり主に説明力と計算力が求められるので、1次試験で身に付けた基礎をもとに、2次試験に挑みます。おすすめな参考書は先ほどもあげましたが、これだけシリーズです。ただし、機械制御の問題は少ないので、時間がない人は買わなくても良いでしょう。
また、過去問は二次試験となると需要が少なくなってくるかほとんどないのですが、10年分も演習ができる電験2種二次試験標準解答集がおすすめです。
電験三種、経験を積んで独立という選択肢も!!
電験3種は難関資格なので、実務経験も合わせて持っている人はかなり優秀な人材だといえるでしょう。なので、今回はそんな努力家に向けた記事です。
普通に会社で働くのも全然アリ
恐らくこの記事を読んでいる方は、電験3種を取ろうとは思うが、取得した後にどのようにして、仕事に生かそうか悩んでいるという方が多いと思います。なので、この場合言えることは、まずは、電験三種を取得することに専念してください。
まずは、土日だけいつもと同じ時間、もしくは1時間くらい遅く起きて勉強するという習慣を身に付けましょう。それが慣れてきたら、いつもの通勤時間や昼休憩の時間に10分でもいいので勉強しましょう。
にも書いてありますが、社会人の平均学習時間は6分なので、問題を1問解くだけで上位半分の人材になれます。簡単ですよね。一方で、大学生の平均勉強時間は1時間切っています
https://www.co-media.jp/article/11622
これについて、日本の学生は、馬鹿かどうかという議論は置いておいて、一般的に通勤にかける時間が往復2時間だとすると、片道の間勉強すれば、大半の大学生よりは上位に立てるわけです。
なので、資格の勉強だろうとそうでなかろうと、受かろうが落ちようと、勉強するという行為だけでみれば、簡単に上位半分になれます。
話を戻すと、今の会社で実務経験が積めそうでかつストレスをあまり感じないのならば無理に転職する必要はないと思います。
しかし、給料も安く、仮に取得したとしてても実務経験が取得しにくい会社に勤めているのだとしたら、転職を考えておくと良いと思います。
具体的なタイミングとしては、試験を合格して免状を取得できた辺りに転職の準備ができていると良いかもしれません具体的にいえば、試験後の10月以降といった頃でしょう。
確かに、「取得するために頑張っています!」というよりも「頑張って取得しました!」とアピールできた方が面接で通る可能性もはるかに高いでしょう。ただし、ブラック企業はいても意味がないので、今すぐやめてください。
やっぱり人材不足
いろいろ話しましたが、専門職のメリットは希少性なので、ブラック労働に基本的になりにくいことです。私は、昔塾のバイトをしていたのですがやはりブラックで、お前の代わりはいくらでもいるんだと圧をかけられても反論ができませんでした。
理由としては塾講師なんてバイトレベルだと沢山いるし、あくまでも労働者側が雇用者に働かせて貰っているというシステムが正しいのだと思いこんでいたからです。
ですが、労働基準法に書いてある通り、労働者側が圧倒的に有利で、本来は会社のために働いてあげているんだという認識のほうが正しいのだと思います。
少し傲慢な気もしますがこれくらいの気迫がないと気が付いたら巨大に見えてします雇用者に飲み込まれてしまっていたということもあるかもしれません。
ですが、合格率1桁台ということもあって電験3種を取っている人はかなり少ないと思います。ゆえに、場合にもよりますが、働きたい会社を“選ぶ”ことができます。
これは凄く大きいことでしょう。なぜなら、自分が大嫌いでやまない会社に行くというストレスがかなり緩和されるからです。そして、上司やお偉いさん達に正論をぶつけやすくもなるでしょう。
確かに、何でもかんでも批判するのは駄目ですが、自分が正しいと思ったことを発言することは良いことです。最悪それでクビになったとしても別の会社で働けばいいんだという心のゆとりを持つことができます。これは、スキルがない人とある人の1番の差だと思います。
単純に電気設備の管理者としての独立
会社で働いてきたけどなんだか奴隷みたいで嫌だ。ホワイトな職場だろうが、ブラックな職場だろうが、自分のやりたいことをやりたい!という人は独立を考えてみてはいかがでしょうか?確かにこれはリスクのある行為でしょう。しかし、資格を取得して、数年あるいは十数年と実務経験をためてきた方にとっては夢物語ではないでしょう。ただし、あくまで可能性であり、必ず成功するかは本人の努力や運次第になるかと思います。
具体的には、電験3種なら実務経験を5年以上積んで電気保安協会というところに登録します。(2種なら4年,1種なら3年ですね。引き算して2になると覚えると覚えやすいです)
大企業なら、電気主任技術者を雇うということは簡単かもしれませんが、中小企業や飲食店などでは、なかなか雇うのは大変です。なので、そのようなお客様に自分の技術を提供するといったことが仕事内容です。具体的にいうと、物件のメンテナンスや停電時の復旧や電気工事会社への業務の依頼などです。大切なのはお客様との信頼関係だけでなく、自分の下で働いてくださっている電気工事会社の方々に対する敬意と信頼です。なので、正直、電気主任技術者という能力だけでなく、営業スキルやコミュニケーション能力は求められますが、成功すれば比較的に自由な仕事で生きていけるということにもつながります。
オマケ 講師になって、自分の経験を発信できる!
専門的な能力を持った人というのはどの分野でも貴重なので、電験を取得した後は、TACの講師のように、資格の先生になってみるということも考えられると思います。
ただし、先生といわれる立場なので、相当な実務経験や電験1,2種といった資格を求められるかもしれません。
しかし、今後、電験に挑みたいという方はますます増えていくということは、労働者不足の面からみても明らかなので、選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
現代の副業ブームによっておそらく電気系の仕事も多様化されるでしょう。ライターや講師といった新しい職業も増えてきているので、選択肢に入れてはいかがでしょうか?