大手ゼネコンからの転職や、地元での就職を希望するため、など、地場ゼネコンへの就職を考えている人も多いことでしょう。
しかし、地場ゼネコンで勤務する私は、地場ゼネコンに就職して、すぐに辞めていってしまった人も多く見てきました。
せっかく就職した会社ですから、できれば長く勤めたいのが本音ですよね
やっと決まった就職先なのに、すぐに辞めることになって、また就職活動を始めなければならないなんて、ぞっとします。
そこで、地場ゼネコンに合わない人、地場ゼネコンへの就職をやめた方がいいのはどんな人なのか、私なりにまとめてみたいと思います。
筆者は地場ゼネコンで長年働いている現役の施工管理です。
目次
注意点①
大きな建物が好きな人
「とにかく大きな建物に憧れる」、「大きな建物がかっこいい!」と思う人にとって、地場ゼネコンは、ちょっと物足りないかもしれません。
地場ゼネコンは、住宅程度の小さな規模の建物を扱うことが多いです
また、大きな建物になると、ほとんどが改修工事となってしまいます。
「大きな建物を、どかーんと建てることが好き!」という人にとっては、地場ゼネコンは不向きと言えるでしょう。
小さな規模や、一見地味な建物であっても、一つ一つ丁寧に作っていくことに喜びを見出していけるような人が、地場ゼネコンには合うでしょう。
注意点②
臨機応変に動けない
地場ゼネコンの仕事は、小さな規模のものが多いので、簡単だと思うかもしれません。しかし、小さな規模のものだからこそ、複数の現場を同時に見ていかなければならないことも多く、その場その場で臨機応変に動ける人でないと務まらないでしょう。
型にはまった考え方しかできない人や、言われたことだけしかできず、自分で考えて動くことができないような人は、仕事が進まず、どんどん仕事が溜まっていってしまうでしょう。
その結果、顧客からクレームが入ってしまったり、使えないやつだと思われてしまったり、上司に怒られたり、ひどい時には辞職を促されることもあるかもしれません。
逆に言うと、自分で考えて、その都度、臨機応変に動いていける人にとっては、地場ゼネコンは、自分の自由になる部分も多く、仕事のやりがいも感じられる楽しい職場となるでしょう。
注意点③
密な人間関係が苦手
地場ゼネコンの社員の人数は、やはり少なめです。
たとえ、ある社員と気が合わないとしても、「異動願いを出せばいいや」というようなやり方では問題は解決しません。異動する場所なんてありませんからね。
狭い会社で、少ない人数なので、嫌でも関わっていかなければならないのです。
どうしても苦手であれば、避けていくこともできるでしょうが、あなたが避ければ、相手もあなたを良くは思わないでしょうから、ますます扱いにくくなるでしょう
また、いつまでも社員となじめないことで、あなたの評価が下がることもあるかもしれません。
新入社員が入ってくることも、それほど多くないので、どうしても従業員同士の関係が密なものになります。
また、地場ゼネコンは、地域密着型のため、顧客や協力会社との関係も密なことが多いです。
同じ顧客から依頼をうけることや、いつも同じようなメンバーと仕事をすることが多いでしょう。
ですから、どんな人とでも、長く密な関係を、上手に楽しくできる力があることが望ましいでしょう。
いつも全国規模で、新規顧客を相手にして、新しいメンバーで仕事をしていきたいような人にとっては、地場ゼネコンは、肌に合わないかもしれません。
注意点④
職場恋愛をしたい
これは、もし、あなたが女性であれば、まったくあてはまりません。
地場ゼネコンでは、独身男性と知り合うことは、とっても簡単なことでしょうし、おそらくよっぽど容姿や性格などに問題がない限り、もてまくるでしょうし、職場恋愛も十分可能でしょう。
しかし、あなたが男性であれば、これは深刻な問題です。
職場恋愛に限らず、仕事に関連して知り合う人は、ほぼ男性でしょう。
事務員など、女性もわずかにはいるでしょうか、本当にごくわずかです。
また、社内にしても、協力会社にしても、社長と血縁関係にある社員も多いものです。
気軽にデートに誘ったり、あまり軽はずみな行動はしにくいでしょうし、危険なのでしない方が賢明です。
ですから、地場ゼネコンで、彼女を作ろうと思ったら、ちょっと難しいです。
知人や結婚相談所などから紹介してもらうしかないでしょう。
「どうしても職場恋愛がしたい!」という人には、地場ゼネコンは全くおすすめできません。
デメリット①
ゼネコンの人数が圧倒的に少なく負担が大きい
これは中堅ゼネコンや地場ゼネコンにおいて本当によくある話です。
皆さんはゼネコンの現場をどのようにイメージしていますか?ゼネコンの職人がたくさんいて、設備や電気の担当者がそれぞれいて、鉄骨やコンクリの担当者が個別でいるようなイメージをしていますか?
今説明したような現場は大手ゼネコンだけであり、中堅ゼネコンや地場ゼネコンではほとんど存在しません。
中堅ゼネコンはいろいろとレベルがありますので一概には言えませんが、中堅以下や地場ゼネコンは圧倒的に現場の人数が足りていません。
それ故に現場ではかなりの弊害が出ています。一番多いパターンは若手の職員の労力が多く、うつ病に近い形になり最終的には退職するケースです。
これは最悪のパターンですが、一番多いと思います。うつ病にならないまでも退職してしまうことが本当に多く、先週まで現場にいたのに辞めてしまったという話は腐るほど聞きます。
これが企業としての責任が大きいと思いますが、中堅ゼネコンや地場ゼネコンはどうしても施行管理できる人間が不足しています。
これは業界全体の問題でもあるのですが、大手ゼネコンは派遣社員や正社員でも足りない分は補充しています。資金力がある企業だからこそ可能だとも言えます。
ところが私が経験した中堅ゼネコンや地場ゼネコンでは人数が足りていないにも関わらず、足りない人数現場を回しているケースが圧倒的に多いのです。
しかも、実際に現場を見て回っているのは若手の社員が担っているケースが多く、責任と負担が過剰に掛っています。
もちろん所長も仕事を若手にぶん投げているわけではありませんが、所長はお金の管理や全体工程の調整などで忙しいのでどうしても実際の現場は若手が見ることになりがちです。
これではやる気十分で入社してきた新入社員や転職組はギャップがあり、やる気が持たずにどんどん脱落していきます。新入社員であれば現場の人数や教育体制が整った大手のゼネコンに絶対に行くべきです。
デメリット②
給料が安い
これは本当に切実な問題です。先ほどから書いている通りですが、中堅ゼネコン以下や地場ゼネコンでは圧倒的に仕事量が多いです。がしかし、その分給料が高い訳ではなく、むしろ逆で大手ゼネコンの方が圧倒的に多いです。
これって実際に働いている人からすると考えられないですよね?仕事量も多く、労働環境もきついのに給料も大手ゼネコンより低い。
考えただけで辞めたくなると思います。
私が入った現場で給料の話をすることもありますが、皆さんかなり安いです。東証一部に上場しているゼネコンだって安いのも聞いてことがあります。本音を言えば、大手ゼネコンしか給料は高くないと言えるのだと思います。ここを理解して就職や転職をしないと本当に人生を台無しにすると思いますので、よく考えて方が良いです。
仕事がきつい分は給料が貰える会社が誰だって良いですよね?私ならその方が絶対良いです。資金力や組織力で大企業より劣る中堅ゼネコン以下や地場ゼネコンへの就職や転職は本当によく検討した方が良いです。
デメリット③
コンプライアンスがないも同然
会社に入ったことがある人なら分かると思いますが、企業にコンプライアンスの意識があるかないかは大きな問題です。
なぜなら、コンプライアンスの有無で社員が守られる立場になるからです。コンプライアンスを守ろうとする企業は法律を守ることを前提としており、決して破るようなことはしない場合が多いからです。具体的な例で言えば、パワハラやモラハラ、こういったことが起きる可能性が圧倒的に減ってきます。
特に上場している企業は株主の目もありますので変なことはできません。常に法令に遵守しながら仕事を進めていくケースが多いです。特に大きい企業だと人事部が面談やパワハラの調査などを実施しており、定期的にチェックしています。
しかし、中堅以下のゼネコンや地場ゼネコンにはそういったチェックはほとんどなく、パワハラが仮に行われていたとしても発覚することがありません。
しかも、パワハラが起きるケースが圧倒的に多いにはこちらの方です。
言い方は悪いですが、地場ゼネコンや中堅以下のゼネコンに就職した人と大手ゼネコンに就職した人のレベルは違います。一概には言えませんが、社員の質やレベルは大手ゼネコンの方が高く、人格的にも優れている人が多い印象を受けます。
これは言わなくても皆さま自身でも理解できると思います。建設業界はかなり閉鎖された特殊な空間です。自分がパワハラを受ける可能性を少なくしたり、少しでも働きやすい環境で仕事をしたいのであれば大手ゼネコンをおすすめします。
まとめ
1.大きな建物が好き
2.臨機応変に動けない
3.密な人間関係が苦手
4.職場恋愛をしたい(女性は除く)
こんな傾向があるなと思う人は、地場ゼネコンは合わないのではないかと思います。
地場ゼネコンへの就職を考えている人は、少し時間をかけて、改めて、自己分析をしてみて下さいね。
「これならやっていけそうだ!」という人は、ぜひ地場ゼネコンへの就職に向けて、自信をもって進めていってほしいなと思います。
応援しています!!