建設

女性の施工管理技師はきつい?現役の女性施工管理が日々の業務を解説

建設関連の仕事の女性の人数は、以前より増えたようにも感じますが、まだまだかなり低いようです。そんな少数の女性たちは、地場ゼネコンではどんなことをしているのでしょうか。

現在、地場ゼネコンで働いている女性である私が、

・日々の業務内容

・女性の施工管理技師が少ない理由

・女性施工管理技師が現場で楽しいこと

・女性施工管理技師が現場で辛いこと

・こんな人が女性施工管理技師に向いている

・今後、女性施工管理技師はどうなる?

について書いてみます。

女性施工管理技師の日々の業務【設計】


設計というと、だいぶ語弊があるかもしれませんが、一応設計もしています。
といっても、一から何か設計していくものはほとんどなく、どちらかというと、CADオペレーターのような感じで、
おおよそのプランが決まっているものを清書するとか、確認申請手続きのための書類と合わせて、図面も作成するなどしています。

地場ゼネコンでも、小さな会社の場合、設計だけしている人は少ないかもしれません。過去に、設計だけしている女性の方が在籍していたこともありますが、現在はいません。今は、みんなが、それぞれの現場で、現場監督をし、設計もしています。

設計といっても、それほど負担のない設計ですし、女性の私にとっては、一番、専門性を活かせて、やりやすい仕事だと思っています。しかし、細かい作業なので、性格的に、私の場合はあまり向いていないなと感じています。個人差がありますが、意外に、男性の方が細かい作業が向いている場合も多いですね。

女性施工管理技師の日々の業務【現場管理】

人員が足りないときなどは、現場監督もします。地場ゼネコン自体が、あまり大きな現場はありませんが、私の場合は、その中でも小さな現場の改修などを担当することが多いので、一般的には、それほど魅力的な仕事ではないと思います。

でも、内勤が多い私にとっては、小さな現場であっても、十分すぎるほどで、本物の施工を見ることができる時間はとっても貴重なことで、面白く、とても勉強になります。

正直、肉体的に、また未熟であることから精神的にも、きつい現場監督という仕事ですが、楽しいこともあります。

女性であるということでいじめまではいきませんが、まともに口をきいてもらえないということもあれば、女性であるがゆえに、親切にしてもらえるというメリットもあります。

また、建物がどうやって作られているのかを、実際に見ると、さまざまな業種の協力会社の作業員さんたちへの尊敬や感謝の気持ちが自然とわいてきます。

みんなが、それぞれに、すごいですからね。本当。この人たちのどれかが欠けたら、出来上がらないということに、なんだか一人で感動してしまったりします。そんなわけで、現場監督は、一番嫌いで、一番好きな仕事であったりします。

女性施工管理技師の日々の業務【書類作成】

内勤が多いのですが、一番多いのが書類作成の時間かもしれません。パソコン作業が好きな私にとっては、ストレスが少なく、らくちんな仕事です。施工管理の書類の他、積算や、電子納品など、幅広く担当しています。

書類作成に限ったことではないかもしれませんが、小さな地場ゼネコンで、社員数が少ないので、社内の誰かが知っていることを、教えてもらうというよりは、社内の誰もできない、知らないことを調べてやっていかなければならないこともよくあります。

ただ、自分で調べて、自由にいろいろと進めていきたい人にとっては、自由度が高くて楽しいことだと思います。ただし、地味にきついです。

女性施工管理技師の日々の業務【雑用】

書類作成とも少しかぶりますが、これまた内勤には、つきものの仕事です。電話対応もそうですが、時間がある時や、事務の方が不在の時などは、お茶くみをすることもあります。コピーや書類のスキャン買い物や書類の提出など届け物を頼まれることもあります。また、図面や契約書の製本を頼まれることもあります。

パソコン関係が得意なため、何かとパソコン関係の不具合で呼ばれることも多いです。こう書いてみると、雑用をかなりしていますね。

これは、女性だからということもありますし、小さな地場ゼネコンだからということもあると思いますが、少し特殊なことかもしれません。以前は、専門職で採用されているはずなのに、なぜこんな誰でもできるようなことを私がやらなければならないのかと、思うこともありました。

しかし、最近は、設計にしろ、現場監督にしろ、とびぬけて何か優れたところがあるわけでもなく、役に立たないことも多い女性である私が、小さな会社ではあるけれど、いろんな経験を積ませてもらえているのは、雑用から現場監督まで幅広く対応できることが理由なのかもしれないと思うようになりました。そのため、雑用も苦ではなくなりましたよ。

建物作りは、現場でたくさんの人が関わって、一つのものが出来上がるのと同じように、現場だけでなく、内勤の書類作成や雑用、経理、事務など、さまざまな人たちの力を合わせて、作り上げているものがあるのだと思うのですね。ただ、きついと思うこともあります。

何故、女性の施工管理技師は少ないのか?
【関係者の気持ち】


現場監督が女性であると聞くと、どのようなことを思うでしょうか。偏見であることは十分承知ですが、もし、私が発注者であった場合、「大丈夫かな」と、一瞬不安になります。建設関連に限らず、男性が多い職業では、同じような印象をどうしても持ってしまう人が多いのではないでしょうか。

工事の発注者や顧客、協力会社、さらにはその女性が所属するゼネコンなどの関係者や、社会から、女性の現場監督があまり歓迎されていないということが、女性の現場監督が少ない理由として、一つ上げられるのではないかと思います。

女性である私でもそのようなことを思ってしまうですから、無理のないことだとは、思っています。ただ、そんな中でも、男性以上の働きぶりをしているような女性の現場監督もいらっしゃいます。
男性の現場監督にはない能力をもった女性の現場監督もいらっしゃいます。社会の冷たい視線を感じながらも、頑張っている女性の現場監督もたくさんいらっしゃることでしょう。

偏見をなくすことは、すぐには難しいでしょうが、まずは、自分が偏見の目で見ているのかもしれないということに気づいてもらえたらな、と思います。

女性の気持ち

では、当の女性の方は、どんな気持ちなのでしょうか。これも、いろんな方がいるので、一概にはいえませんが、実際、現場監督をしたい女性はそれほど多くないのではないかと思います。なぜならば、まず、前提として、前述のように、関係者や社会からあまり歓迎されていないからです。

どこにいっても、あまりいい顔はされません。責任のある立場の一人の大人として認めてもらうには、男性よりもスタート地点が低いのだと思います。
そこから、信頼を得ていくという作業は、やりがいはありますが、心が折れてしまうこともあるでしょう。

また、実際、女性にとって、現場監督の仕事内容はきついものがあります。例えば、現場監督でも、材料など、ちょっとした荷物を運ぶ場合がありますが、これは、圧倒的に男性に負けてしまいます。その瞬間、「男性の現場監督だったらこんな荷物軽々と運んでくれただろうな」と、関係者もですが、自分自身で思ってしまったりするのですね。

私は、学生時代、「何でも男性と同じようにやりたい!」と思っていて、社会に出た先輩から、「現場の面白さはあるけれど、体力的にきつい」と聞くことがあっても、「それでも現場に出たい」と強く思っていました。しかし、現場に出てみて、あっさりと気持ちが変わってしまいました。

体力が男性並みにあるとか、体力には自信があるという女性でしたら、気にならないのかもしれませんが、私のような一般的な女性には、一日中現場になければならない現場監督は、ただ立っているだけでもハードな仕事でした。

施工部門で入社し、現場監督希望だった女性でも、実際に現場監督をしてみたら、気が変わってしまったという女性も多いのではないかと思います。

また、体力的な問題だけでなく、労働時間などの問題もあるかもしれません。

独身の間は問題なく働けたかもしれませんが、結婚して、子供が生まれ、保育園に預けたりし始めると、早めに帰宅しなければならなかったりするでしょう。

急な子どもの体調不良で、欠勤や遅刻、早退も考えられます。そんな時、現場監督をしていれば、現場が予定通りに進まなくなり、工事に影響が出てきます。
そういったことから、時短や、急な欠勤や遅刻が問題にならない職種を希望する女性が多くなるのではないでしょうか。

女性施工管理技師の現場で楽しいこと


私が一番楽しいと思ったのは、
イケメン探しです。建設現場には、思った以上にマッチョ系のいい体をしたイケメンがとっても多いです!イケメンが目の前で、汗を流して働いているのを見るのは、とても至福の時でした。

私が出会った中で一番のイケメンは、なんと、仮設トイレを運んできた方でした。その日、仮設トイレが届くということは、知っていました。

現場に車が入ってきて、「すみません。○○ですが、仮設トイレ、どこに置いたらいいでしょうか?」とか、急に話しかけられたのですね。「あ、トイレね、この辺に…」なんて言いかけて、あまりのイケメンっぷりに、私の目は、たぶん見開いたことでしょう。

「なぜこんなイケメンが、仮設トイレを?」という疑問を抱きつつも、鮮やかに仮設トイレを設置していく様を、見届けさせていただきました。「絶対、なんかもっと他にいい仕事あると思う!!」と思わずにはいられないのですが、彼の人生ですし、彼はその仕事に喜びや楽しみを抱いているのかもしれませんからね。余計なおせっかいでしょうけど、なかなか会えないイケメンっぷりでした。本当に…。

他にも、足場の設置や撤去は見ていて感動しますね。ちょっとした雑技団のショーを見ているような心境になります。どういった訓練をしているのかわかりませんが、無駄な言葉をかけずに、阿吽の呼吸なのでしょうか、鮮やかに、足場をひょいひょいっと投げ渡していくのですよね。それに比べて、自分はなんと無力、無芸なのかと、反省する気分になります。

コンクリートの打設なども好きです!初めてみた時は、驚きでした。大の大人、しかも男性が、何人もで、象の鼻のようなポンプを押さえつけて、コンクリートを流していくのですよね。それを見て、私は「鉄筋コンクリートの建物なんていりません」と言いたくなるくらい、コンクリート工事って大変なんだねって思いました。

コンクリートを流し込んだ後、左官屋さんがコンクリートをきれい仕上げていくのも、感動モノですね。あれは、芸術の域にありますね。

足場の設置と撤去、コンクリート工事の時は、街の見学者も多いです。私が女性のせいか、中年の女性にもよく話しかけられますが、工事現場を見るのが好きだという方、結構多いです。私は現場監督という立場で、もっとやらねばならないことがあるはずなのですが、見学者の気持ちが痛いほどよくわかります。

もし、見たことがないという方は、お近くの工事現場をぜひのぞいてみて下さい。特に、足場とコンクリート工事がおすすめです。それから、工事現場には、イケメンもかなりの頻度で出没しますので、女性の方は注意深く観察してみて下さいね。建設現場には、イケメン率が高いと思います!!ただ、逆に見た目に全くこだわらないような人もいるので、全員ではありませんので、悪しからず。

女性施工管理技師の現場で辛いこと


楽しいことに比べて辛いことは、あまり熱がこもらないのですが、
寒いことと熱いこと、疲れること。それから、休憩時間に職人さんたちがちょっとした下ネタっぽいことを話し始めたり、下ネタまでもいかなくても、男同士で話すような話を延々とされて、それがとても聞こえてきてしまう時は、ちょっと困ります。辛い時の一つです。

あとは、仮設トイレの汚さです。ティッシュが散乱しているなんてことは、よくありましたが、一度、大の方がはみ出ていた時もあり、泣けました。小学生じゃないんだから、さすがに勘弁してもらいたいものです。もちろん、掃除しましたが、それでなくても臭い仮設トイレなので、きれいに使ってほしいものです。トイレ問題は本当にきつい問題であることに間違いありません。

 

女性施工管理技師はこんな女性は向いている

現場監督に向いていると思う女性は、まず、「体力に自信があること!」が第一条件だと思います。なんせ、一日中外での作業、立っているだけでも本当に疲れますから。

それから、とにかく男性が多いので、男性の、若者だけでなく、おっさんたち相手でも、物怖じせず、きちんと伝えるべきことを伝えられる、心の強さがあることも必要だと思います。

それから、私の場合はイケメン探しや鮮やかな職人さんの作業を見ることなどでしたが、仕事と直接関係なくても、あってもよいのですが、自分なりに楽しいと思えることを、現場の中に見出せる人には、いい仕事なのではないかなと思いますよ。

女性施工管理技師は今後はどうなる?

では、今後は、どうなっていくのでしょうか。「男女の性差に関わらず、人はみな平等であるべきだ」と思う気持ちもありますが、現場監督は、女性にはきつい仕事だなというのが、私の意見です。しかし、それでも、男性だけの現場に女性がいること、女性が関わることにより、よい影響があることも感じます。

現場監督という役割ではないかもしれないけれど、現場に女性が関われる機会がふえて、現場にも女性の特性が活かされていったらよいなと、今後に期待します。

女性の私は、「現場監督とかもやっているよ」と友人に話すと、驚かれることも多いです。女性の現場監督は、全くいないというわけではありませんが、やはりまだまだ珍しい存在のようです。