建設

元設計者が語る!新築設計料について 《意外と知らない設計業務の中身》

 

材料費や技術費などが明確な工事費と違って設計費ってとても分かりにくいですよね。

設計から工事まで請け負う建設会社などは、設計料は工事費用の一部に含まれるので、設計料の内訳が無かったり、工事費用に含んでしまっている場合もあります。

設計料のほとんどは人件費・技術費で、値段が付けにくいものです。

 

設計料の相場

新築住宅の設計料は総工費のだいたい10%程度と言われています。

注文住宅など、売り出し方によっては2%〜6%、また無料とされる場合もあります。

有名な建築士事務所だと20%を超える場合も。

 

設計料の内訳の主な項目は

・調査費

・図面作成費

・申請費

・監理費

・人件費

になります。

 

設計料の内訳というのは、そっくりそのまま設計者の業務内容となる訳ですが、

例えば建設会社などは、設計の他に営業や工事、修繕、いろんな専門部署があり、他の部署がどんな仕事をしているのか、意外に知らない部分も多いですよね。

特に、工事に必要のない申請書類や申請図面などは、設計課以外の人は目にする機会が少ないのではないでしょうか。

 

では設計料内訳と共に、その業務内容をみてみましょう!

 

調査費とは?

設計に入る前に敷地となる土地や周辺の調査を必ず行います。

公図や登記簿から、登記上の寸法や面積を調べ、それを元に建築基準法で定められた用途地域や建ぺい率などを割り出します。

そして前面道路の寸法や電柱の位置など、また隣接する建物からの距離を測ったり。

日陰図が必要な場合は真北を測定したり。

設計をする上で必要となる寸法を拾い出していきます。

 

この時点で大型建築物などはボーリング調査等も行いますが、規模の大きな調査は工事費用に含まれる事も多いです。

図面作成費とは?

図面作成業務は、主に申請用図面と工事用図面の2種類を作成していきます。

 

申請用図面は平面図などの基本図面から、構造に関わる図面など、建築物の安全性を審査するのに必要な図面であり、換気や採光などの計算書や求積図なども含まれます。

 

工事用図面は、各業者の見積りや工事に必要な図面です。

実際に工事や見積もりをするには申請用の図面だけでは足りないので、より詳細な図面が必要となります。

さらにキッチンやトイレ、風呂などの設備、壁のクロスや照明などの内側、玄関などのインテリアや駐車場などのエクステリアもプランニングし図面に反映させていきます。

 

申請費とは?

建築確認申請には、申請手数料がかかります。

規模によって金額が異なりますし、申請機関によっても異なります。

一般住宅なら5万円前後からといったところでしょうか。

また、建築確認申請には図面以外にたくさんの申請書類が必要となります。

確認申請書を始め、各認定証や委任状、調査データなどの書類も作成、申請書一式として図面と一緒に提出が義務付けられています。

 

申請に出す時点で図面は一通り完成しており、設計業務はほぼ終わりといった段階です。

が、申請先から詳細図面の添付や図面の修正などを指示される場合もあります。

 

法規の解釈は人によって違うこともあるので、申請検査機関内でも人によって意見が違う場合があります。

建築基準法をクリアしているかどうかが微妙な箇所がある場合は、ここで振り回されてしまう場合も・・・

 

監理費とは?

工事に着手した後、図面通りに工事が進んでいるかをチェックしたり、

図面で分かりにくい箇所を現場で指示したりする業務になります。

必要によって工事図面を作成する事もあります。

工事に入った時点で、設計者から工事担当者に殆どの業務は移行していますが、

この時点で内装の材料をプランニングしていく事もあります。

クロスやタイルの色など細かい部分の決定はこの時期まで持ち越す場合も少なくないです。

 

まとめ

 

設計事務所の場合は施主へ提出する見積もりは設計料のみで分かりやすいですが、

施工会社の場合は、工事費の一部に設計料の項目がある場合も多いでしょう。

その為、設計料はいちいち経費や技術料、人件費などの項目ごとに計算はせず、

総工費の何%、というざっくりした計算である場合が多いです。

設計と施工を行う工事の場合は、設計料は工事費の一部となるので、

見積書の上では、設計料を工事の諸経費などに含めて安く見せたり、工事費に分散させて設計料の項目自体を無くして0円っぽく見せたり、安く見せることも可能です。

なので、設計料の値段は施主側にとっても重要視すべき点ではないのかも知れませんね。

 

設計料が高いとか安いとか0円だとかで設計者自身の給与に直接影響することはまず無いので、設計料の値段は設計者自身にとってはあまり大した事ではありません。

金額によって品質が変わる事もありません。

 

住む人の命を守る設計。

 

それは値段によって変わるものではありません。

 

むしろ、設計料によって設計の出来を調整するほうが難しい!?でのではないでしょうか。