建設

現役の施工管理技師が語る!!建設業における元請け下請けとは?

建設業の元請けとは?

今から建設業の元請けとは何かをご紹介していきたいと思います。

元請けとは簡単に言うと発注者(お客様)から直接工事を引き受け、主体となり現場を竣工させる企業のことをいいます。

また元請けに求められることはたくさんあります。まず大切なのは会社の財力ですね。元請けになると竣工するまで発注者からお金をもらうことはできません。工事中はほぼ月極で卸屋などから購入した資材、建設用リース品等のお金を支払わなくてはいけません。

現金(社内留保)がある、銀行からの借り入れ支払いなどができる企業であることが大前提ということになります。
では「金がありゃあいい」というわけでもないのです。建設業では受注する金額4000万円(建築一式工事の場合は6000万円以上)の場合は特定建設業の許可を受けなければなりません。

細かい決まりは沢山ありますが資本金が2000万円以上でなければならないなど会社の規模、経営状況も大切になります。また前記でも書いたように主体とならなくてはいけないので一括下請契約(請負工事を下請けに丸投げすること)は法律で禁止されています。

そのため工事責任者はもちろん安全衛生管理者などを選任しなくてはなりません。

安全衛生管理者も当然資格を修得した者でないといけないので、だれでもいいと言うわけではないのです。次に元請けの義務をまとめて紹介します。

元請けの義務とは?

見積条件を提示する 工事名称、施工場所、設計図、下請け工場の責任者範囲及び工程などその他何項目あります。これを下請けに提示して下請けに見積りをしてもらいます。

そのときに金額に応じて見積り期間を設けなくてはいけません。例えば5000万円を超える工場には15日以上必要となります。
金額に比例して項目も増えるのでそれに応じた時間が必要になります。

契約書をかわす下請けと契約する際には施工内容、請負金、工期、請負金の支払い期間などを書面にて契約しなくてはいけません。これは工事の規模は関係なくどの現場でも共通のことです。契約書なしで工事を始めるのは違反であり、トラブルの原因になります。

適正な請負金 元請けという立場を利用し著しく低い金額で発生するのは当然のことながら禁止されています。また一方的に金額を提示し、強制することも禁止されています。

不当なやり直し工事の禁止 施工上手直しが発生した場合にも一方的に手直しを強要することはできません。手直しにも費用がかかりますし、手直しの過失が下請けだけにない場合もあります。過失の割合などを明確にして合意の上でやり直し工事をしなくてはなりません。

その他細かな規定はありますが元請けだからと言って独裁国家のようになにをしてもよいというものではありません。下請けよりも利益はあるかもしれませんが、万が一の時の責任はすべて元請けに求められるのです。上記に記載したことを満たせる企業でないと元請けにはなれないということですね。

建設業の下請けとは?

上記で記載したように契約書を交わしたときに初めて下請けとなります。昔と少し変わったところをご紹介いたします。

近年ではとくに首都圏で一人親方と言う言葉はあまり聞かなくなったのではないでしょうか。私は地方ですが一人親方は認められなくなってきています。近年法改正が行われ建設現場に新規入場する際に社会保険番号の提示が求められるようになりつつあります。

私のような会社員には当たり前のことですが、社会保険に加入していないという理由で入場を拒まれる時代になってきました。このように下請けとして求められることをご紹介いたします。

社員名簿の提示 新規入場する前に現場に入る社員の氏名、年齢、経験年数、保有資格、住所、社会保険番号などを元請けに事前に提示しなくてはなりません。

送り出し教育の実施 新規入場する前に会社内で現場でのルールを事前に事業主などが周知してから現場に送り出さなければなりません。

再下請け 自社の人員では足りない場合他の企業の社員を現場に入れる際にはその企業と下請け契約を結ばなければなりません。

このときに一人親方と契約することは可能ですが、必要なのが建設業の許可を取得しているか、社会保険には加入しているか、建設業退職金制度に加入しているかなどの条件をクリアしなくてはなりません。厳しいところでは二次下請けまでしか認められないこともあります。

情報の漏えい 下請け業者は常に同じ元請けと仕事をするわけではありません。ですから現場の内容を現場外で話してはなりません。

また図面、データなどを現場外に持ち出すことも禁止されています。持ち出した場合にトラブルが発生すると守秘義務違反となり罰せられることになります。

労災の申告 現場内、通勤中に怪我、事故を起こすと労災になります。
ひと昔前は元請けに迷惑がかかるという理由で労災の申告は重大な労災に限られていました。しかしのちに発覚した場合には労災隠しとして元請けはもちろん責任者、事業主、職長が刑事責任を取らなくてはなりません。
労災の際は労災保険が適用となり一般の健康保険の使用は禁止されています。

最後に

いろいろな細かな制約が成り立ち元請けと下請けの関係が成立しています。難しい言葉が並ぶと堅苦しく感じますが、決まり事を当たり前にしていればなにも苦痛なことはありません。元請け、下請け双方が責務をきちんと果たせば快適な建設現場になるのではないかとおもいます。