まず、大前提としてそもそもボランチとは一体なんなのか?
近年はいろいろなタイプの選手が増えたことで一概にボランチと言えなくなっています。

タイプ①守備的ボランチ
守備的なボランチは昔からいるような典型的なボランチタイプの選手が多いです。名前を聞いただけ守備的というイメージができる選手が多いと思います。
昔で言うディフェンシィブハーフという言い方の方がしっくりくる人もいると思います。ボランチという言い方は2000年代くらいから普及した言葉だったと思いますので、それまではディフェンシィブハーフと呼んでいました。
このタイプは文字通りですが、守備的なボランチを指します。チームに必ず一人は必要な役割で、このタイプの選手がいないチームはほとんど存在しないはずです。特徴としてはフィジカルが強く、身体能力に長けていてスタミナがあります。
その代わりボールを扱うスキルはあまり求められません。ただ、近年はこのタイプの選手でもボールを扱うスキルは飛躍的に上昇していルのが事実です。実際にマケレレやガットゥーゾなどはその典型的なタイプでしたが、カゼミーロやカンテはスキルが高いです。
近年のボランチは何か1つの役割をこなすのではなく、複数の役割をこなすことを必須となっています。 おそらく今後も守備的ボランチでもボールを扱うスキルを求められる傾向は強くなっていくのは変わらないと思います。

タイプ②攻撃的ボランチ
攻撃的ボランチは近年システムの複雑化などもあり、かなり減ってきています。具体的には引退した選手ですがジェラードやランパードが攻撃的ボランチの典型です。
二人ともイングランドの選手でいわゆるセントラルミッドフィルダーと呼ばれる選手で、イングランドではボランチというポジションは存在しないためセントラルミッドフィルダーと呼ばれていました。
このタイプの選手は4-4-2のセンターに位置する選手で守備と攻撃をバランスよくこなせる能力が必要です。その役割の中で攻撃なタイプの選手がジェラードやランパードになるということです。日本ではこのタイプの選手の存在はあまり存在しなく、あえて言うならば稲本選手が近いと思います。
また、このタイプもフィジカルが非常に強く、ミドルシュートが得意という特徴があります。そういう意味でも日本の選手でミドルシュートが得意な選手というのはほとんどいませんので、該当する選手がいないのも仕方がないのかなーとも感じます。少し寂しいですが‥。

タイプ③パッサー型ボランチ
パッサー型のボランチはレジスタとも呼ばれることもあります。特徴はパスを積極的に受けて攻撃を組み立てます。
チームはこの影の司令塔を経由して攻撃を組み立てることが戦術に組み込まれている場合もあり、高いボールスキルを求められる役割です。該当選手を見ると分かりますが、スキルが高くフィジカルがあまり得意ではない選手が多いと思います。このタイプは守備的な役割はあまり求められないため、フィジカルも必要ありません。
ただ、その代わりに守備ができる相棒が必要となります。ミランの黄金時代を気づいた時にピルロとガッツゥーゾのようなコンビです。個人的にはこのタイプの選手が一番好きです。華やかさがあり、ボールを受ける回数もチームの中で一番多くなる傾向があるので、そのスキルを見るのが面白いです。
特にピルロは引退してしまいましたが、過去最高のパッサーであり、レジスタだったと思います。興味がある方はYouTubeで動画をみてください。本当にスキルが半端じゃないです。
今回は代表的な3パターンのボランチを説明しました。これ以外にも近代的なボランチや様々な役割をこなすボランチがいるのでまた次回以降で紹介したいと思います。
個人的な意見では以前よりもフィジカルを求めらることが多くなっており、守備は当然のように高いレベルでできないと試合では使ってもらえないのかなと感じています。その証拠に純粋なパッサー型のボランチはかなり減ってきています。
私が大好きなピルロは唯一の選手でしたが、現在ではこのようなタイプの選手は非常に少ないです。逆に守備型ボランチで攻撃もある程度絡むことができる選手が重宝されているのかなと感じます。
この先はフィジカル+攻撃参加のパターンが重宝されるので、サッカーをやっている方は参考にしてみてください。