建設

ゼネコン必見!現役の鉄骨屋が教える鉄骨工事・S造の見積と積算の流れ

みなさんは鉄骨工事についてどのくらい知っていますか?
建設業界の中ではRC造とS造がメインですが、どちらかと言うとRC造の方が一般的な事が多く、S造についてはあまり詳しくないという方が多いのではないでしょうか?ゼネコンによってはRC 造ばかりでS造はほとんどやらないなんてこともたまに聞きますが、逆はあんまりないですね。
この記事ではそんなS造のブラックボックス的な見積の中身や積算の流れについて解説していきます。
見積の内訳
①製作工場の費用
② 鳶鉄骨さんの現場取り付けの費用
③デッキ、スタッド、 現場溶接の費用

④ 重機の費用

 見積項目①製作工場の費用


鉄骨工事で大部分の割合を占める項目はすばり製作工場の費用です。

鉄骨工事は鉄骨本体がなければ話にならないので鉄骨を組み立てて、溶接して現場まで 運ぶ工場のことです。

製作工場では鉄骨の材料手配、施工図の作成、材料の加工と組立、鉄骨の溶接、現場までの運搬を行います。

この中でも材料費と加工費の項目に大別されます。

材料は工場が自ら材料を手配し、設計図を元にゼネコンや設計事務所と連携を取りながら話を進めます。

この材料発注は非常に重要な項目であり、絶対にミスが許されない作業です。一度発注した材料は基本的に取り消すことができないからです。

また、材料を発注するタイミングも重要です。これは鉄骨工事では鉄骨を建てることを建方といいますが、建方と工場で加工する日数を逆算して材料を発注しなければいけないからです。

このタイミングを間違えると大変なことになります!建方に間に合わなくなり、物件自体の竣工に関わってしまうことになります。

こうなるとゼネコンに多大なる損害を与える可能性があり、製作工場の信用ににも傷を付けることになってしますます。

ですので、この材料発注はゼネコンと製作工場は非常に神経質になっており見積段階からいつ、どのタイミングで発注するのか?

そして鉄骨の加工に何日を要して、建方には間に合うのか?正確に把握してお互いに共通の認識で話を勧める必要があります。

次に製作工場の加工費ですが、これは先ほどの材料の溶接や組立や運搬のことです。材料が工場に入荷されれば加工が始まります。

鉄骨製作の実作業に当たります。工場にいる職人さんが材料の加工を行い、出荷作業を行います。

トラックの手配も製作工場の役割であり、近年はトラック業者の需要が高まっていることから運搬費が高騰しています。以上が製作工場の基本的な見積内容です。
おおまかに材料+加工費(施工図+材料加工+運搬)と覚えて頂ければ良いと思います。

見積項目②鉄骨鳶さんの現場取り付け費用

次は現場に納品されてきた鉄骨を実際に取付ける費用です。

これは鉄骨を専門に扱っている鉄骨鳶さんが行います。取付に費用は鉄骨の重量や設計図を参考にしながら算出します。

専門的な話になりますが、鉄骨全体の重量やピース数と呼ばれる鉄骨の数(柱や梁の数)がある程度分かると、大体の予算がわかるようになっています。

もちろん物件によって特徴がありますので一概に言えませんが、附帯工事(胴縁、母屋、天吊など)を除いた金額は算出することが可能です。

現場の費用は最初に間違ってしますと後から赤字になる可能性がありますので、かなり神経を使う項目です。実際に施工する鳶さんに事前に確認することでそのリスクを抑えます。

例えば、現場の状況を一緒に確認しに行く、1日に何ピース建てることができるのか?搬入はスムーズにできそうか、夜間建方なのか?この辺りはきちんと確認する必要があります。

見積項目③デッキ、スタッド、 現場溶接の費用

鳶さんのほかにも現場での施工はあります。必ずあるものがデッキ敷きです。

鉄骨工事にはデッキ敷きは必ずありますのでデッキの材料費と取付費用を含みます。デッキの材料費はデッキメーカーと調整します。

日本にデッキメーカーは数社しかありませんので、そこの担当者に値段を交渉します。デッキの価格は原材料費や運搬費などの関係で逐一変わっていきますので、実際にデッキを納品する時期を考慮しながら決めていきます。

そのほかにも物件によりますが、デッキに打ち込むスタッド、現場溶接の費用を含めます。スタッドも設計図に仕様の記載がありますのでスタッドの本数を出し、それに職人さんの人件費を足します。現場溶接も設計図の記載を参考にしながら柱の溶接か梁の溶接なのかを確認して費用を出していきます。

見積項目④重機の費用

最後に重機の費用です。重機はゼネコン側で手配する場合もありますが、今回は鉄骨屋に含める形とします。重機に費用は単純に鉄骨の建方日数に重機の値段を掛けます。

ただ、重機のサイズについては鉄骨屋で設定する必要があります。ここは以外と難しいところで鉄骨のある程度の重量と重機の届く範囲をある程度計算しながら重機の選定をしていきます。

ここも選定を誤ってしまうと後々赤字になる可能性がありますので慎重に選定する必要があります。条件が不明で正確に選定できない場合は少し大きな重機で余裕を持った選定をすると良いでしょう。

まとめ

以上が鉄骨屋さんが見積を作成する上で重要な内容でした。

製作工場の費用、現場の鳶さんの費用、デッキ・スタッド・現場溶接の費用、重機の費用、を入れることで基本的な項目はできます。

ただし、今回は非常に大まかな内容になっていますので実際にはいろいろな手順を踏んでいます。
鉄骨工事の見積は最初に誤ってしまうととても大変なことになってしまいます。

見積は慎重にされることをオススメします。次回は特に製作工場での内容をもう少し説明していきたいと思います。